アイリッシュマン

全米トラック運転組合のリーダー:ジミー・ホッファの失踪、殺人に関与した容疑をかけられた実在の凄腕ヒットマン:フランク・シーランの半生を描いた物語。… 第2次世界大戦後の混沌とし たアメリカ裏社会で、ある殺し屋が見た無法者たちの壮絶な生き様が描かれる。

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2019年11月に公開されたアイリッシュマンのレビューです。

「アイリッシュマン」は、アメリカで限定公開され、配給権を購入したNetflixによって配信された映画です。監督はマーティン・スコセッシ。キャストには、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシなどの名だたる俳優達が勢揃いしています。

ストーリーは、マフィアの仕事を引退してすっかり年老いた主人公のフランク・シーランが、1950年代頃からの自らの生涯を歴史と共に振り返るお話です。

個人的に今年観た映画のドラマ部門では、ダントツで1位の映画です。他でも高評価を得ており、12月に行われた、アカデミー賞前哨戦の一つとして注目されているナショナル・ボード・オブ・レビューで作品賞を受賞しました。来年のアカデミー賞は、間違いなく受賞するでしょう。

この映画とっても長くて、210分程あります。上映時間も踏まえて、Netflixで放映するのは的確だと思います。映画館だと約半日は潰れますからね。セパレート型の映画です。私も2回に分けて観ました。

映画は、主人公のフランクは平凡なトラックの運転手なのですが、徐々に悪行に手を染める所からスタートし、当時カリスマ的存在だったジミー・ホッファと出会ったり、ジョン・F・ケネディなど歴史上の人物も結構出てきます。 ホッファはこの映画で初めて知ったのですが、とても人気があったそうです。まあ210分もあるので、ずっしりとストーリーが繰り広げられます。この映画の何が優れているか私なりに考えてみました。

脚本

一番の魅力はなんと言っても脚本でしょう。2004年に出版されたI Heard You Paint Housesという暴露本を基に作成されていまして、当時ジミー・ホッファは行方不明になっており、遺体がいまだに見つかっていないそうです。その為、ホッファに関するいろんな都市伝説が出回っていたそうです。

そこで出された前述の本には、ホッファの死因の真相が書いてあるそうです。ネタバレすると、フランクがホッファを殺したらしいです。

その為、観てる側はフランクがホッファを殺す事を前提で観ているわけです。エンディングにかけて徐々にホッファが追い込まれていく様は映画として、とても面白いです。

Netflixにある、アイリッシュマンの監督・キャストが映画を振り返る番外編も観ましたが、スコセッシが"映画で大切なのはキャラクター"と言っていました。アイリッシュマン の映画を観ると、どのキャラクターにも愛着が沸いてしまうくらい素敵に描かれていました。

ラスト近くのシーンで、車の郷部座席が魚のせいで濡れているくだりは、とても面白かったですね。意味があるのかなと思っていたら、全くストーリーに関係なかったです。タランティーノのように、くだらない話からキャラクターの人物像を描くといった所でしょうか。

養子役のJesse Plemons (ジェシー・プレモンス)がいい味を出していましたね。

この俳優は、Netflixが放映しているドラマシリーズ"ブラックミラー “のカリスター号で主役をやってました。あの時は、カツラを被ってて薄毛の印象がありましたが実際はもっさりしてます。プレモンスは、喋り方に特徴があって、個人的にとても好きです。顔もマット・デイモンそっくりですしね。

IndieWire - 3 Ways Netflix’s ‘Black Mirror’ Broke the Rules With USS Callister

スコセッシの集大成のような映画と言われるくらいの完成度の高い映画ですが、同感です。210分なので、少しは無駄なシーンもあるのかなと思っていましたが、一切そんなシーンはありませんでした。終始ワクワクしながら観賞できたと思います。 音楽も最高です。

ラストはマフィアならではの哀しい男の最後を、痛いくらいに見せつけられます。

consequenceofsound.ne - The Scene in The Irishman We Can’t Stop Thinking About

最新の技術

前述した番外編で初めて知りましたが、この映画は生涯を振り返るストーリー構成の為、デニーロ(76歳)やアル・パチーノ(79歳)などといった高年齢のキャスト達は、必然的に若い頃を演じなければならない訳です。

メン・イン・ブラック3のトミー・リー・ジョーンズ →ブローリンのように別のキャストで対応するパターンも考えられますが、この映画では若い時も、老いぼれている時も、ずっと同じキャストが演じています。

screenrant.com - The Irishman Images CG De-Age Robert De Niro - And It's Weird

screenrant.com - The Irishman Images CG De-Age Robert De Niro - And It's Weird

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違和感なく観れたので、メイクのおかげやなと思っていましたが、実はCGらしいです。 番外編で語られていたのは、何台ものカメラを駆使してキャストを撮影し、その後CGで修正したそうです。多少メイクはあったでしょうが、まさかCGだとは思いませんでした。 スコセッシ曰く、この技術は数ある映画の中でも、アイリッシュマンが初めて使用したらしいです。(間違ってたらすみません)アカデミー視覚効果賞も確実にノミネートされそうですね。


全体を通して、大変素晴らしい映画でした。ゴッドファーザーのように、映画史に残る名画の一つになるでしょう。名画は何回でも観たくなりますからね。今日までに4回は観ました。音楽のように流しっぱなしで、音だけ聞いてても味のある映画です。

まだ観ていない方はぜひ観てください!