Adobe UI

現代において、デザイン関係の仕事やクリエイティブな業界に携わっている人であれば、Adobeの製品を使用して、何かしらのプランを契約していると思います。私もコンプリートプランを契約しています。コンプリートプランと言っても、InDesign、XD、Illustrator、Photoshopの4つをメインに利用してるのですが…。そんな慣れ親しんでいる人も多いAdobe製品のUIについて最近気になっている箇所をいくつか挙げたいと思います。

Adobeの大型アップデート

去年10月に開催された恒例のカンファレンス: Adobe MAXで、Adobeは大型アップデートを発表しました。様々な新機能の中でも注目のアップデートは、iOS(iPad用)から「Photoshop」「Fresco」がリリースされた事です。しかし、iOS版のPhotoshopを期待しつつ実際に使用してみると、使い心地は最悪でした。通常デスクトップ版の場合、ツールアイコンはホバーすればテキストラベルが表示されるのですが、iOS版ではホバーはできない為、長押しをしてもテキストラベルの表示は一切ありません。

そもそもツールバーに表示されているアイコンがどのように機能するのかの説明が見当たらず、利用するユーザーへの配慮に欠けています。一応チュートリアルが用意されていますが、普段デスクトップ版でPhotoshopを使用しているユーザーは、わざわざ利用しないでしょう。それにツールバーのアイコンの意味を知る為に、いちいちチュートリアルを開かなければいけないのは、不便で仕方ありません。

UIは、アイコンのみで構成されています。

さらに、iOS版とは言えデスクトップ版に比べて使用できるツールが極端に少なく、ペンツール、RAWのインポート、フィルター、トーンカーブ、ブラシライブラリといった機能がありません。Adobeも、開発で今後徐々にパワーアップ、リリースしていくというスタンスのようですが、リリースされてから数ヶ月経った今でも、とてもプロジェクトで使用できるアプリケーションではありません。(多少改善されています。)

Adobe Systems Incorporated

しかし、同じく大型アップデートで新しくリリースされた「Fresco」は前者とは異なり、革新的とも言える素晴らしいアプリケーションでした。今までにAdobeがリリースしていたiOS版のペイントアプリは、主に2つに分かれており、ベクターデータで作成する事ができる"Illustrator Draw”、ドローイングや水彩などのラスターデータで作成できる"Photoshop Sketch"の二つです。この2つのアプリケーションの機能をまとめて1つにしたのがFrescoで、Photoshop Sketchのブラシ機能をさらにパワーアップし、様々な機能を備えた完成度の高いアプリケーションに仕上がっています。同じく大型アップデートで新しく追加された「クラウドドキュメント」は大変使い勝手のいい機能で、Frescoとの相性も抜群、デスクトップ版Photoshopとのファイル共有が容易になりました。

Fresco自体まだリリースされたばかりの為、未完成です。ベクターデータの作成やペンツール機能などは十分とは言えず、書き出し形式もPNG, JPG, PSD, PDFの4つのみですが、今後のリリースで徐々に改善されていくでしょう。またWIREDの記事によれば、Fresco開発の立役者でもあるカイル・ウェブスターは、

大事な点は、このFrescoがまだver.1で、ライブブラシは新たなカテゴリーとして誕生したばかりだということです。ユーザーからの声とラボの頑張り次第で、もっともっと進化していく……素晴らしい可能性を秘めているアプリだと、わたしたちは確信しています。

と述べており、今後はFrescoに開発を注いでいくスタンスのようです。Frescoに加え、Appleから去年macOS「Catalina」リリースと共に追加された、iPadをミラーリングしMacのセカンドディスプレイとして活用できる機能「Sidecar」の登場により、2019年はグラフィック・イラストレーション界に大きく影響をもたらした1年でした。

Apple

Creative Cloudの不便なUI

Adobeの大型アップデートでは他にも、Adobe製品の核であるCreative Cloudが、デストクトップアプリとして再リリースしました。これにより、アプリケーションなどのコンテンツの管理が容易になりましたが、新たに目立ってきたのが不便なインターフェイスの数々。

現段階においてCreative Cloudは、各アプリケーションのアップデートが必要になった場合、下記のようになっており、アップデートと表示されたブルーカラーのボタンを押すと、アップデートが開始されます。

アップデートの有無については、分かりやすいインターフェイスです。

しかし、肝心のアップデートの内容が分からないのです。アップデートが必要な該当アプリケーションをクリックし詳細を確認しようとしても、右上にアップデートボタンが表示されるのみです。

アップデートの内容が確認できません。

そんなCreative Cloudとは真逆に、AppleのiOSアップデートは、ユーザーに配慮しているとても分かりやすいユーザーインターフェイスです。下記のように、「詳しい情報」と記載された部分が表記され、ユーザーは迷う事なくアップデートの詳細を確認できる設計になっています。

アップデート内容が簡潔に記載され、下部には詳しい情報を見れるボタンが設計されています。

アップデートの詳細も詳しく記載されています。

無駄な項目「リソースリンク」

他にも、大型アップデートで従来の名称「Typekit」から変更したAdobe製品付属のフォントサービス「Adobe Fonts」は、Creative Cloudのサイドバーの項目の一つに加えられました。一見すると、アプリケーション内でAdobe Fontsのフォントを見る事ができると思いきや、まさかの外部リンクで、Adobe FontsのページがWebサイトで新しく開かれるだけです。

せめてAdobe Colorは、いい加減アプリで使えるようにして欲しいです...

なぜAdobe FontsやAdobe Stockなどの高機能を、「リソースリンク」としてのみ設置し、アプリ内でスムーズに見れるようにしないのか疑問です。

Adobe Fontsのページの読み込みやCreative Cloudが何かと遅いのもネックです。

Adobe XDのカラーテーマ、ショートカットキーの設定

Adobe製品では、PhoshopやIllustratorなどのアプリケーションのインターフェイスを、ホワイトベースやダークベースのように複数のカラーテーマを選べるようになっていますが、Adobe XDはリリースから数年経っているにも関わらず一向にホワイトベースのみで、そもそも環境設定すら存在しません。

InDesignなどは、ダークベースからホワイトベースまで選択可能です。

Adobe XDは、ホワイトベースのインターフェイスのみ。(テキトーなモックアップなので、内容は気にしないでください。)

ショートカットもAdobe XDオリジナルになっていて、普段から他のAdobe製品のショートカットに慣れているユーザーにとっては、とても使い勝手が悪いです。Adobe製品を使用する時は、基本的に複数のアプリケーションを使用しながら作成する事が多い為、アプリケーション毎でショートカットキーが異なっていたり、ましてや変更すらできないのは不便で仕方がありません。とりあえずAdobe XDのショートカットキーは変更できるようにして欲しいですね。


今回、Adobe製品の改善箇所について挙げました。Sidecarの登場により、ペンタブレットや、セカンドディスプレイを提供するアプリケーションの需要も今後どんどん減っていくでしょう。Frescoも、今後のアップデートが楽しみな素晴らしいアプリケーションですね。とりあえずAdobeの今後のさらなる躍進に期待します。