切れ味の鋭いフォント: GT Sectra

今回紹介するフォントは「GT Sectra」です。GT Sectraは、スイスにある鋳造所Grilli Typeが2013年にリリースしたセリフ書体。Grilli Typeは、「GT America」「GT Alpina」などといった、他のタイプ・ファウンドリーとは一線を引くようなユニークで興味深いフォントをリリースしている事でも知られています。デザイナーであれば、一度はGrilli TypeのWebサイトを見ることをお勧めします。リリースされているフォントはどれも特徴的で面白いフォントばかりです。それにリリースするフォントは、全て 「GT」と言う名前が付いているのも、Good。

ナイフのように切れ味の鋭いグリフ

GT Sectraは、元々古典文学のタイポグラフィなどのルポルタージュが掲載されたスイスの雑誌「Reportagen」で、使用する為にデザインされたフォント・ファミリーです。

Grilli Type

Grilli Type

GT Sectraを開発する上で、インスピレーションの一つとなったのは、12世紀から15世紀にかけてヨーロッパで使われていた「ブラックレター」。ブラックレターは、15世紀以降長らく盛んに使用されていませんでしたが、20世紀で、ナチス・ドイツが使用していた事で注目を集めた書体でもあります。ウェイトが極端に太いのがブラックレターの特徴でもあり、名前の由来もそれが元になっています。

デザインのコンセプトは、歴史的な書体をただコピーすることではなく、それらのアイデアをより現代的なデザインに置き換えてデザインし直すことでした。

Grilli Type

ブラックレターの他にも「カリグラフィ」にインスパイアされている事が随所で見受けられ、GT Sectraの最大の特徴でもあるナイフのように鋭いグリフは、まさにメスで切れ込みを入れたような鋭利な印象を受けます。丸みが必要になりがちな「a」などのグリフを見ると、いかに丸みの部分を排除しているかが伝わってきます。

Grilli Type

GT Sectraの名前の由来は、ラテン語の「Secare」。日本語で「切る」「スライス」などの意味で、デザインコンセプトがストレートに表現されていますね。


10ウェイト、30スタイルを持ち合わせたユニークなフォント「GT Sectra」は、使うシーンこそ限られるとは思いますが、都会的でユニークなレストランなどで使用するのも面白いかもしれません。

GT SectraのWebサイトへ